理事長あいさつ

2022年5月

日本医療・病院管理学会 理事長 今中雄一
日本医療・病院管理学会
理事長 今中雄一

 このたび、実績と伝統のある日本医療・病院管理学会の理事長を拝命し、その重責に身の引き締まる思いです。当学会の使命の遂行に向け尽力して参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 日本医療・病院管理学会には、他の学会に追随を許さない、幾つかの重要な役割があると考えています。それらは医療の経営・管理への貢献、制度政策とのインタラクション、ヘルスサービスリサーチです。そして当学会は、実務と研究の両面から高度専門多職種が集まるという大変貴重な特徴を有しています。これらの役割や特徴が発展するよう力を尽くしていきたいと存じます。

【経営管理、制度政策、ヘルスサービスリサーチ】

 当学会の内容は、医療・病院の管理、経営であり、医療の経営、組織運営、企画、マーケティング、連携、財務、人事、質・安全、情報、建築等環境、危機対応、制度政策や経営環境変化へ対応などを含みます。当学会は1963年に設立されましたが(2008年に日本病院管理学会から日本医療・病院管理学会に改称)、設立当時の学会誌を見ますと全国の病院から病院長が続々と会員となられていったことがわかります。これは、病院長の皆様が入りたくなる学会、即ち、医療の経営・管理に資する学会を意味すると思います。設立から約60年たった現在、医療とそれを取り巻く環境とともに、医療の経営・管理は複雑化し高度化しており、多職種の貢献が必須となっています。当学会の設立時からの存在意義(raison d’etre)を、変革の最中にある現在において展開していくことが重要と考えます。
 また、当学会では、制度政策に携わる方が多く参加され、その重要情報や動向がわかり、実践面から議論されます。そして、そこに貢献しうる研究が多くなされ、医療、介護、健康のあり方(特に制度政策や経営・管理の側面)を発展させるためのヘルスサービスリサーチが進展し、この点で他の学会に追随を許さない学会です。療養病棟基本料や要介護度の設計、DPCの開発・発展、医療安全管理、建築学的災害対応、医療の評価、薬価への費用対効果の導入、データに基づく地域医療計画・地域医療構想など重要な制度政策の流れを、研究開発面から当学会の有力な会員の方々が牽引してきました。制度政策との様々なインタラクションをもとに豊富なルートが築かれており、当学会は強力なポテンシャルを有していると言えます。医療の経営・管理においても、同様あるいはそれ以上に、当学会では実務と研究の両側面から、実学的な研究開発が実績豊富になされてきています。医療の経営・管理や、制度政策づくりに直接貢献する研究開発力は極めて貴重です。これらを背景に、学会として、先見性をもって経営・管理、制度政策を把握する場を強化し、社会のニーズに迅速に的確に応えていくことが望まれていると思われます。

【実務と研究の両面から高度専門多職種が集まる学会】

 上記役割に加え、「実務・実践」と「研究・開発」の両面から、高度に専門的な多職種が集まる学会である、という重要な特徴を持っています。いずれも関わり合う組織経営、人事、財務、企画・マーケティング、情報管理、質・安全管理、建築、医療連携・医療介護連携、災害対応、制度、政策などの様々な領域で、多職種の高度な専門性と実績をもった実務家研究者が集まり、知識を分かち合い議論する場になっています。このようなとても貴重な場が、さらに認識され、活用され、発展していくことを目指したく存じます。

【これからに向けて】

 当学会のこれらの機能や特徴が、効果的に発揮されて会員や社会にとってより大きな価値を生むべく、学会の触媒機能を高めていくことができればと思います。このたび、病院経営力強化、医療介護連携、イノベーション推進、制度政策の4委員会を新設し、これまでのいずれも重要な委員会とともに、全体として学会の使命の達成に向けて前進していきたいと存じます。そして、これまで数年間をかけて当学会で検討されてきた学会専門家制度(仮称)や、実務と研究に役立つ場・学習資源の充実化・具現化に向け、微力ながら尽力いたす所存です。
 皆様のご参加、ご協力、学会という場のさらなるご活用を、心からお願い申し上げます。

日本医療・病院管理学会 理事長
今中雄一