医療ソーシャルワーカー

Medical Social Worker

 保険医療機関において,社会福祉の立場から患者やその家族の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決,調整を援助し,社会復帰の促進を図る業務を行う専門職を指す。医療ソーシャルワーカーとして勤務するための資格はないが,多くは社会福祉系大学等の専門教育を修了した後,業務に従事しており,近年は社会福祉士・精神保健福祉士等の国家資格取得者も増えている。また,医療と福祉の連携強化が求められている状況の中で,病院・保健所のみならず老人保健施設や在宅介護支援センター等にも活躍の場が広がっている。医療ソーシャルワーカーについて規定した法律はなく,各所属機関における職名は統一されていない。「医療福祉相談員」,「医療社会事業司」,「医療社会事業専門員」,「医療社会事業士」などの名称が使用されている。

 医療ソーシャルワーカーの具体的な業務内容は,(1)療養中の心理的・社会的問題の解決,調整援助,(2)退院援助,(3)社会復帰援助,(4)受診・受療援助,(5)経済的問題の解決,調整援助,(6)地域活動である。

 近年においては,高齢者や精神障害者,難病患者等が,疾病を持ちながらもできる限り地域や家庭において自立した生活を送るために,医療・保健・福祉のそれぞれのサービスが充分な連携の下に,総合的に提供されることが重要となってきている。

 また,児童虐待や配偶者からの暴力が社会問題となる中で,保健医療機関がこうしたケースに関わることもまれではなくなってきている。

 少子・高齢化の進展,疾病構造の変化,一般的な国民生活水準の向上や意識の変化に伴い,国民の医療のニーズは高度化,多様化してきている。また,科学技術の進歩により,医療技術もますます高度化し,専門化してきている。このような医療をめぐる環境の変化を踏まえ,健康管理や健康増進から,疾病予防,治療,リハビリテーションに至る包括的,継続的医療の必要性が指摘されるとともに,高度化し,専門化する医療の中で患者や家族の不安感を除去する等,心理的問題の解決を援助するサービスが求められている。

 このような状況の下,保健医療の場において,社会福祉の立場から患者のかかえる経済的,心理的・社会的問題の解決,調整を援助し,社会復帰の促進を図る医療ソーシャルワーカーの果たす役割に対する期待は,ますます大きくなってきている。

【関連用語】

医療福祉相談員,医療社会事業司,医療社会事業専門員,医療社会事業士