リハビリテーション

Rehabilitation

 リハビリテーションとは医療保険・介護保険でのサービスのひとつであるとともに,技術であり,ひとつの思想でもある。WHO(World Health Organization)は,リハビリテーションを「医学的,社会的,教育的,職業的手段を組み合わせ,かつ相互に調整して,訓練あるいは再訓練することによって,障害者の機能的能力を可能な最高レベルに達せしめることである」と定義している。この定義によって,リハビリテーションは,医学,社会,教育,職業の4つの分野に区分され,それらが組み合わさって総合的に提供されるものであることが明確にされた。また,1982年に国連で採択された「障害者に関する世界行動計画」のなかでは,「身体的,精神的,かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能とすることによって,各個人がみずからの人生を変革していくための手段を提供していくことを目指し,かつ,時間を限定したプロセスである」と定義されている。つまり,リハビリテーションは単なる機能回復訓練ではなく,日常生活の活動を高め,家庭や社会への参加を促すものであり,そのためには,本人へのアプローチだけではなく,自宅における生活環境の調整や,地域の中に生きがい・役割をもって生活ができるような居場所と出番づくり等,本人を取り巻く環境へのアプローチが重要である。そのためには,(1)直接援助活動,(2)組織化活動,(3)教育啓発活動。具体的には,(1)障害の発生予防の推進,急性期~回復期~維持期とライフステージに対応したサービスの継続的提供体制の整備,(2)円滑なサービス提供システムの構築,地域住民も含めた総合的な支援体制作り,(3)地域住民へのリハビリテーションに関する啓発,医療・介護専門職に対する知識・技術の支援が必要となる。

 在宅医療に於いては,訪問リハビリテーションとして,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士が定期的・計画的に在宅患者を訪問し,必要なリハビリテーションを提供し,在宅生活を維持しQOLを向上することを重視して実施している。

【関連用語】

訪問リハビリテーション